CPAPは「シーパップ」と読みまして、日本語では「持続陽圧呼吸療法」と言い、英語では「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字4文字を取ってきて、そう呼ばれてます。
機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。精密検査を受けて、睡眠時無呼吸症候群と医師が診断された方の症状緩和に使用できる医療機器です。(出典:日本呼吸器学会HP)
私は2015年から7年間CPAPを使用しており、国内出張や海外旅行、キャンプなどありとあらゆる場所に持っていきました。
普段からCPAPの効果や感想についてよく質問をいただくので、薬剤師でもある私がCPAPの効果や感想、よく聞かれる質問を紹介いたします。この記事がこれからCPAPを始める方の参考になれば幸いです!
この記事で分かること
- CPAPに興味があり、これから治療を始めようとしている方に対して
- CPAPの効果や感想やメリット、デメリット、よくある質問について
- CPAP歴が7年あり、薬剤師の資格をもつ私が詳しくご紹介します
CPAPをはじめるには
CPAPを始めるにあたり必要となってくることを2点ご紹介します。
睡眠外来で検査が必要
CPAPを始めるにはまず、睡眠外来を実施している医療機関に行き精密検査を受ける必要があります。
医師による「睡眠時無呼吸症候群」の診断をしてもらわないと使用することができませんし、機械を貸し出していただくこともできません。
詳しい診断方法については、こちらの医療機関様のサイト記事(外部リンク)に詳しくご紹介されてますのでご確認ください。検査の方法や病態について詳しく解説されております。
独立行政法人国立病院機構 近畿中央呼吸器センター(https://kcmc.hosp.go.jp/cnt0_000236.html#:~:text=%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E3%81%AE%E7%B2%BE%E5%AF%86%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%A7,%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%8E)
原則、月1回の診察が必要
CPAPを継続使用するには原則、月1回の通院が必要となってきます。
その時の診療内容にもよりますが、3割負担で大体4,500円くらいの支払いになります。
私は月1回にクリニックに通院しておりますが、中には2カ月や3カ月に1回の通院でも大丈夫という医療機関もあります。忙しくて毎月は行けないという方は、CPAPを貸し出してくれるメーカーさんや診断してもらった先生に相談してみてください。
CPAPの効果や感想
実際にCPAPを7年間使用している私の効果や感想を実体験に基づいてご紹介します。
日中の眠気が格段に減る
CPAPを使用して寝ると朝起きた時の爽快感がまるで異なります。無呼吸が完全に0になるという訳ではないですが、今までの睡眠に比べると段違いに睡眠の質が向上しているを実感できます。
視力が悪い人が初めてメガネをかけた時のような感動と、私はよく表現してます。
日中の眠気もかなり少なくなり仕事や運転に集中することができるので、仕事の作業効率アップや車運転時の居眠り事故防止といったことにも繋がってきます。
慣れるまで時間かかる
寝るときに鼻につけるマスクを頭にバンドを巻き付けて固定するので、人にもよりますが慣れるまでは非常に寝にくいです。
私は1週間ほどで慣れましたが、最初のうちは寝ている間にバンドを無意識に外してました。鼻詰まりがある人は、少し苦しいかもしれません。
マスクタイプによっては、鼻から空気を送って無呼吸を防止しますので、口は基本閉じたままになります。つまり鼻呼吸です。
マスクの形状によっては横向きにすると空気が漏れてしまって、シューシュー音が出て眠れないということもありました。マスクに慣れれば横向きでも眠れますし、鼻が詰まらないように対策することで寝苦しいということもなくなりますので安心してください。
自分にあうマスクを選ぶ必要がある
頭につけるマスクは、ネーザルタイプ・ピロータイプ・フルフェイスタイプの3つがあります。それぞれメリットとデメリットがあるので、ご自身に合うものを選ぶ必要があります。
ご参考までに、この3種類のマスクを紹介されている医療機関様のサイト記事(外部リンク)を共有させていただきます。
井上病院睡眠センター(http://www.shunkaikai.jp/sleep/mask.html)
私はネーザルタイプのPhilips製のものを使用してます。ピロータイプを試したことがあるのですが、寝ている間に外れてしまったり、起きた時に頭がぼーっとしたりしたので、今はネーザルタイプに落ち着いております。
ネーザルマスクは鼻だけを覆うマスクですが、横向きで寝る私にもピッタリのマスクで、空気は漏れず快適に眠ることができております。
マスクやホース、頭を固定するバンドを定期的に洗う必要がある
マスクやホースなどは食器用洗剤などで定期的に洗うことを推奨されております。
私はマスクは3日1回洗い、ホースは週に1回といった感じで洗っております。頭に固定するバンドは、1週間に1回程度、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗ってます。
シリコン部分やバンド部分は使っていると劣化してきて、寝ている間にバンドが外れてしまったり、マスクから空気が漏れる原因となりますので、定期的な交換が必要です。
メーカーさんに連絡すると新しいものを郵送してくれるので、私は3カ月に1回の頻度でマスクとバンド、空気を送るホースを新しいものに交換してます。
メリットとデメリット
CPAPを使用するにあたり特に実感しているメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
- 日中の眠気がかなり減り、仕事の効率化が期待できる。
- いびきが減ることが期待され、ベッドパートナーの睡眠を妨げなくなる。
- スマホと接続することで、アプリで毎日の睡眠状況をモニタリングできる。
私は身の回りの方でCPAPを始めるのを迷っている方には、とくにこれらの点をお伝えして使用をオススメしてます。日中の活動性があがることが忙しい現代人にとっても非常に大きなメリットですよね。
デメリット
- 原則、毎月医療機関への診察が必要である。(医療機関によって2カ月や3カ月も可能なケースもある)
- CPAPの管理・レンタル料として3割負担の場合、毎月4,500円ほどのお金がかかる。
- 旅行や出張の際、荷物が増える。
- 冬場はマスクないが結露し、水が垂れてくることがある。夏場は逆にマスク内が蒸れる。
デメリットは主にコストがかかる点と、外泊時の荷物が増える点ですが、これらのデメリットを上回るメリットがあるので、私個人としてはトレードオフが成立すると考えております。
よくある質問
まとめ
CPAP歴7年で薬剤師の私が、CPAPの効果や感想について詳しくご紹介させていただきました。
医師ではないので診断や治療結果については言及できませんので、あくまでも効果や感想という点にクローズアップした内容でしたが、これからCPAPによる治療を始める方の参考になりましたら幸いです。
災害時やキャンプなど電源がないところでもポータブル電源があればCPAPを動かすこともできるので、もし良かったらこちらの記事もご覧ください。
本日の内容は以上になります。それでは!
つまずき君